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1999 年度 実績報告書

部位特異的変異導入による脂肪酸α水酸化反応の解析

研究課題

研究課題/領域番号 11770066
研究機関大阪市立大学

研究代表者

松永 勇  大阪市立大学, 医学部, 助手 (00254425)

キーワードチトクロームP450 / 脂肪酸 / α水酸化 / 過酸化水素 / 部位特異的変異導入
研究概要

まず、Sphingomonas paucimobilis由来の脂肪酸α水酸化酵素(以下、SPα)の発現系を確立し、純粋な組換え酵素を得、その性質を検討した(論文発表)。次に、既知のP450でよく保存されており、酸素の活性化に重要だと考えられるThr残基(helix-Iに存在するが、本酵素では見あたらない)に相当する残基を特定するため、SPαのアミノ酸配列からhelix-Iに相当する部分についてLys変異体の作成を試みた。しかし、作成した変異体の多くは発現量が極めて悪く、解析に十分な量の酵素を得るのが困難であった。ところが最近、私はBacillus subtilisのybdT遺伝子がSPαのホモローグをコードしており、この蛋白質がSPαと同様、少量の過酸化水素を利用して脂肪酸基質の水酸化する(脂肪酸のα位のみならずβ位も水酸化する)ことを見いだした(論文発表)。都合の良いことに、この酵素蛋白(以下、BSβ)は、SPαと同様の発現系を用いた時、SPαよりもおおよそ一桁高い発現量を示した。又、BSβのhelix-Iに相当する部分のアミノ酸配列が、SPαのものと極めて高い相同性を示した事から、反応機構上SPαとの類似性が予想されたので、BSβに部位特異的変異導入を行うことを考え、更に発現効率の良い発現系と回収効率の良い精製法を確立した。即ちT5プロモーターの下流に、His tag、スロンビン切断部位及びBSβの融合蛋白をコードする様に発現プラスミドを構築し、大腸菌に導入後、δ-ALA存在下に培養し、アフィニティーカラムで酵素をほぼ純粋にまで精製した。このシステムを用いて、BSβのhelix-I相当部位にLys変異を導入すると、Pro243をLysに改変した変異体がN配位のスペクトルを示した。また、242及び244番目のLys変異体はN配位を示さなかった。この事は、このPro残基が所謂保存性Thr残基の位置に相当する部位にある事を示唆する。この残基の反応機構上の役割については、現在検討中である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] Matsunaga, I. et al.: "Characterization of the ybdT Gene Product of Bacillus subtilis: Novel Fatty Acid β-Hydroxylating Cytochrome P450"Lipids. 34(8). 841-846 (1999)

  • [文献書誌] Matsunaga, I. et al.: "Fatty Acid-Specific, Regiospecific, and Stereospecific Hydroxylation by Cytochrome P450(CYP152B1)from Sphingomonas paucimobilis: Substrate Structure Required for α-Hydroxylation"Lipids. 35(3)(in press). (2000)

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公開日: 2001-10-23   更新日: 2016-04-21  

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