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2000 年度 実績報告書

TLS-CHOP遺伝子の新規標的遺伝子DOL54を用いた脂肪肉腫の診断法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 11770101
研究機関東京医科大学

研究代表者

黒田 雅彦  東京医科大学, 医学部, 講師 (80251304)

キーワードDOL54 / 粘液型脂肪肉腫 / MFH / TLS-CHOP
研究概要

【目的】DOL54遺伝子は、粘液型脂肪肉腫の原因遺伝子TLS-CHOPの標的遺伝子としてRDA法によりクローニングされた。DOL54遺伝子産物は、その構造から分泌型細胞外マトリックス蛋白と推定され、本遺伝子がトランスフォーム活性を持つこと、白色脂肪細胞の成熟過程に重要な役割を持つことが確認された。今回の検討ではDOL54遺伝子が実際の臨床検体に発現しているかどうか検討を行った。また、悪性繊維性組織球腫は時として脂肪肉腫との鑑別が問題となることもある。このことから本腫瘍においても検討を加えた。
【方法】東京医科大学付属病院、京都大学付属にて外科的切除された臨床検体を用いた。組織学的内訳は、粘液型及び円形細胞型脂肪肉腫10例、高分化型脂肪肉腫5例、悪性繊維性組織球腫18例の計33例である。新鮮凍結材料から、RNAを抽出し、ノーザンハイブリダイザーション法にてDOL54遺伝子の発現を検討した。さらに粘液型及び円形細胞型脂肪肉腫に関しては、RT-PCR法にてTLS-CHOPキメラ遺伝子の発現を確認した。
【結果]粘液型及び円形細胞型脂肪肉腫の50%、MFHの40%にDOL54の発現が見られた。高分化型脂肪肉腫においては、DOL54の発現は見られなかった。この結果は、昨年度検討した、RT-PCRの結果とほぼ一致する。また3例の悪性繊維性組織球腫の症例においてはDOL54遺伝子は粘液型脂肪肉腫より強い発現が見られた。
【考察】悪性繊維性組織球腫にDOL54が高発現することは、悪性繊維性組織球腫の腫瘍発生と粘液型脂肪肉腫の腫瘍発生を考える上で非常に興味深い。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] M.Kuroda 他10名: "Male Sterility and enhanced radiation sensitivity in TLS/-mice."EMBO Journal. 19. 453-462 (2000)

  • [文献書誌] K.Miyazawa 他9名: "Nuclear accumulation of beta-catenin in intestinal type gastric carcinoma Correlation with early tumor invasion."Virchows Arch. 437. 508-513 (2000)

  • [文献書誌] Y.Kani 他5名: "A case of cytophagic histiocytic panniculitis associated with exertional rhabdomyolysis."Pathology International. 50. 858-862 (2000)

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公開日: 2002-04-03   更新日: 2016-04-21  

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