研究概要 |
1)1pには大腸癌はじめ多くの悪性腫瘍の発生・進展に関与する癌抑制遺伝子が局在すると考えられている。本研究を推進するに当たり、1p35-p36領域のBACによるコンティグの作成を進めている。 2)1p36局在するp53関連遺伝子であるp73遺伝子について、大腸癌はじめ各種悪性腫瘍における遺伝子異常のスクリーニングを行ったが、異常は見られなかった。そのため、本遺伝子の異常は発がんにはあまり関与しないものと考えられた。 3)大腸癌をはじめマイクロサテライト不安定性(MSI)を示す種々の腫瘍において、特異的標的遺伝子の候補としてhCHK1,hMSH3,hMSH6,E2F4等の異常を検討した。その結果、 (i)hMSH3,hMSH6は二次的に遺伝子異常を生じ、MSIを増強するものと考えられること、 (ii)E2F4は異常を生じているが、正常でも見られるバリエーションと同じ異常であり、発がんにおいて特に重要な役割を果たしているものとは考えにくいこと、(iii)hCHK1は全く異常を認めないことを明らかにした。
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