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1999 年度 実績報告書

寄生蠕虫プロテアーゼのTh2分化・誘導における役割に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 11770130
研究機関信州大学

研究代表者

長瀬 尚志  信州大学, 医学部・寄生虫学, 助手 (70303451)

キーワードTh2 / IL-5 / IL-4 / 抗原提示細胞
研究概要

寄生蠕虫感染において宿主の防御機構として重要な役割を担っているIgEと好酸球の増加は主にII型ヘルパーT細胞(Th2)から産生されるサイトカインIL-4とIL-5に依るものであるが、何故寄生虫感染時にTh2優勢になるのかは明らかではない。Th1/Th2へ分化する際に大きく影響するのが抗原提示細胞である。そこで寄生虫感染マウス抗原提示細胞でTh2への誘導がなされるかどうかをin vitroで検討した。その結果、寄生虫感染マウス抗原提示細胞はTh2サイトカインの一つであるIL-5産生を高く誘導し、IFN-γ産生(Th1)を抑制した。IL-4の産生にはあまり影響を与えなかった。最近、抗原提示細胞内のグルタチオン(GSH)濃度の違いにより、Th1/Th2分化誘導に差があることが示された(GSH濃度が高いとTh1、低いとTh2を誘導する)。そこでGSHの前駆体であるN-アセチルL-システイン(NAC)で処理したマウス(投与により細胞内GSH濃度が上昇する)と対照マウスをそれぞれ寄生虫に感染させたマウスの抗原提示細胞を用いて同様の実験を行ったところ、部分的ではあるもののNAC処理抗原提示細胞でのIL-5産生が抑制された。(IFN-γ産生は回復しなかった)また、NAC処理したマウスで好酸球増多が遅延、減少する傾向にあり、IL-5産生の抑制と一致する。このことから寄生虫感染時の抗原提示細胞が細胞内GSH濃度の低下によりTh2を優性にしやすくなっていることが考えられた。今後、さらにin vitroでの解析やTh1を誘導するIL-12やTh1を抑制するPGE2、また抗原提示細胞上の接着分子などについて検討するつもりである。また、抗原提示細胞をアレルゲンとして知られるヤケヒョウヒダニのシステインプロテアーゼで処理すると細胞内GSH濃度が低下するという報告もあるので寄生蠕虫プロテアーゼについて、検討する予定である。

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公開日: 2001-10-23   更新日: 2016-04-21  

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