研究概要 |
(1)熱帯熱マラリア原虫のSERA遺伝子を用いDNA免疫の実験を行ったところ、SERA DNA免疫により血中に抗SERA抗体が認められ、さらにサイトカイン(IFN-γ,IL-4,IL12又は GM-CSF)遺伝子を共導入することにより液性免疫の増強及び免疫応答の制御が可能であることを示した(Parasitology International,48:27-33,1999)。 (2)有効なDNAワクチン法を確立するためマウスの感染系でMSP-1遺伝子を用いDNAワクチンの実験を行った。MSP-1 DNA免疫によりMSP-1蛋白に対する液性及び細胞性免疫の両方が誘導された。さらにMSP-1遺伝子とIL-12遺伝子を共導入することによりMSP-1に対する液性及び細胞性免疫応答がTh1型へシフトした。MSP-1 DNA免疫マウスにマラリアを感染したところ対照マウスに比べ抵抗性を示したがその効果は顕著ではなかった。しかしながらMSP-1遺伝子とIL-12遺伝子を共導入することにより強い防御効果が認められた。 (3)IL-12遺伝子をマウスに遺伝子導入を行い原虫感染治療効果について検討を行った。細胞内寄生性原虫であるリーシュマニア及びクルーズトリパノソーマ感染マウスにIL-12遺伝子を導入した場合、いずれの感染系においてもTh1型免疫応答を増強させ感染抵抗性を増強させた(Immunology,印刷中)。
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