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1999 年度 実績報告書

腸管出血性大腸菌O157Sakaiによる腸管上皮細胞への付着機構の解析

研究課題

研究課題/領域番号 11770135
研究機関東京大学

研究代表者

立野 一郎  東京大学, 医科学研究所, 助手 (50311642)

キーワードO157 / EHEC / 腸管出血性大腸菌 / LEE / intimin / Tir
研究概要

腸管出血生大腸菌(EHEC)O157は人の大腸腸管粘膜上に付着・増殖することが下痢の発症に重要であると考えられているがその分子機構については不明な点が多い。そこで本研究では、付着に必要な因子の同定するためヒト大腸由来上皮細胞Caco-2細胞への付着能の減少を示すトランスポゾン挿入変異株を27個単離した。そのうち10個は、本研究の条件下では、完全に付着能を欠失していた。一方、残りの17個は野生株にくらべて50%以下の低下を示した。得られた変異株のトランスポゾン挿入領域の塩基配列を決定したところ、10株は全てlocus of enterocyte effacement(LEE)として報告されている約35kbpのpathogenisity island内のtype III secretion systemに関係すると考えられる遺伝子に挿入変異を持っていた。残りの17株の内、16株はLEE以外に挿入変異を持っており新規の付着因子である可能性が考えられた。17株の内1株は、LEE内のTir(Translocated intimin receptor)挿入変異を持っており、その下流に位置するintimin(細胞膜貫通性の付着因子)の発現もなくなっていた。この株は、野生型及び他の16株とは明らかに異なる付着容態を示した。すなわち、野生株はCaco-2細胞に付着したのちそこで分裂し集落(マイクロコロニー)を形成するが、Tir-intimin変異株は、最初Caco-2に付くことができるけれども、次の段階に進むことができなかった。以上の結果、O157の初期付着には、typeIII secretion systemおよび未知の付着因子が重要なはたらきをし、マイクロコロニー形成にはintimin-Tirを介した付着能が必要とされることが明らかになった。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] Tobe,Tatsuno,et al.: "A novel chromosomal locus of enteropathogenic Escherichia coli (EPEC), which encodes a bfp T-regulated chaperon-like protein, TrcA, involved in microcolony formation by EPEC"Molecular Microbiology. 33・4. 741-752 (1999)

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公開日: 2001-10-23   更新日: 2016-04-21  

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