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1999 年度 実績報告書

免疫グロブリン遺伝子における対立形質排除の分子機構

研究課題

研究課題/領域番号 11770167
研究機関東京大学

研究代表者

西住 裕文  東京大学, 大学院・理学系研究科, 助手 (30292832)

キーワード免疫グロブリン / V(D)J組み換え / 対立形質排除 / PU.1 / Prf / B細胞
研究概要

当研究室のトランスジェニックマウスを用いた実験により、3'エンハンサー内のPU.1結合配列が、免疫グロブリンκ軽鎖遺伝子のVJ組み換えを抑制するのに必要であることが明らかにされていた。そこで、T細胞あるいはpro-Bという特定の分化段階にあるB細胞において、このPU.1結合配列に結合してκ軽鎖遺伝子のVJ組み換えを抑制する因子のスクリーニングを行った。方法は酵母one-hybrid法を採用し、3'エンハンサー内のPU.1結合配列近傍の配列をbaitとして、胸腺由来およびpro-B細胞株由来のcDNAライブラリーをスクリーニングした。その結果、DNAに結合するEtsドメインにおいてPU.1と非常に相同性の高いタンパク質をコードする新規遺伝子が得られた。よってこの遺伝子を、prf(PU.1 related factor)と命名した。ゲルシフト法により、PrfはPU.1結合配列にin vitroでも結合することが示された。また、prfはB細胞(pre-Bおよび成熟B段階)特異的に発現していることがノーザンブロットおよびRT-PCR法により明らかになった。そして、ルシフェラーゼアッセイにより、Prfは転写活性を有することも示された。現在Prfの生理的な機能を解析する目的で、ノックアウトマウスの樹立を試みており、このマウスにより、Prfがκ軽鎖遺伝子のVJ組み換えを抑制する因子であるかどうかが明らかになると予想される。またPrfは、PU.1およびその類似タンパク質Spi-Bとも相同性があり、互いに機能を相補している可能性あるいは標的遺伝子を奪い合って拮抗している可能性などが考えられる。よって、PrfノックアウトマウスもPU.1あるいはSpi-Bノックアウトマウスと交配することも視野に入れて、Prfの機能解析を行っていく。この様に、抗原受容体のV(D)J組み換えを制御する分子機構を解明する事を通じて、最終的には対立形質排除の分子メカニズムが明らかになるであろう。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] Katano,H.et al.: "Expression and antigenicity of human herpesvirus & encoded ORF 59 protein in AIDS-associated Kaposi's sarcoma"J.Med.Virol.. 59. 346-355 (1999)

  • [文献書誌] Horikawa,K.et al.: "Defective roles of Fyn and Lyn in lgD-and lgM-mediated signaling"lnt.lmmunol.. 11. 1441-1449 (1999)

  • [文献書誌] Hashimoto,S.et al.: "Prf, a novel Ets family protein that binds to the PU.1 binding motif, is specifically expressed in restricted stages of B cell development"lnt.lmmunol.. 11. 1423-1429 (1999)

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公開日: 2001-10-23   更新日: 2016-04-21  

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