• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2000 年度 実績報告書

生活環境化学物質と生体内物質との相互作用によるヒト遺伝子損傷と感受性の解析

研究課題

研究課題/領域番号 11770181
研究機関三重大学

研究代表者

及川 伸二  三重大学, 医学部, 助手 (10277006)

キーワード発がん / 生活環境 / 環境化学物質 / 生体内物質 / 酸化的DNA損傷 / 銅イオン / アゾベンゼン / カテキン類
研究概要

本研究の目的は生活環境化学物質と生体内物質との相互作用によるDNA損傷の機構を解明し、一般的な食生活が発がん感受性に与える影響を検討することである。本年度は殺虫剤や染料に用いられている発がん性アゾベンゼン、がんの化学予防剤として期待されているカテキン類について生体内物質(生体内微量金属や生体内還元物質)との相互作用によるヒト遺伝子損傷性とその機構について検討した。実験方法は、^<32>Pでラベルしたヒトがん抑制遺伝子p53およびがん原遺伝子c-Ha-ras-1のDNA断片とアゾベンゼンの代謝物であるヒドラゾベンゼンやカテキン類を金属イオン存在下で反応させ、電気泳動を行いオートラジオグラムによりDNA損傷性と塩基配列特異性を検出した。また、酸化的DNA損傷の指標である8-オキソデオキシグアノシン(8-oxodG)生成量を電気化学検出器付HPLCにて定量した。ヒドラゾベンゼンは二価の銅イオン存在下でチミン残基を特異的に損傷した。この損傷には一価の銅と過酸化水素の関与が示唆された。カテキン類は二価の銅イオン存在下で活性酸素種を生成し、塩基配列特異的にDNAを損傷した。以上の結果から、ヒドラゾベンゼンやカテキン類は生体内重金属の存在下で活性酸素を生成しDNAに損傷を与えることが明らかになった。本研究から食生活により摂取される発がん物質は、生体内物質存在下で酸化的にDNAを損傷することが解明された。今後、がん予防を推進するため、食生活が発がん感受性に与える影響をさらに検討をしていく予定である。

  • 研究成果

    (7件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (7件)

  • [文献書誌] S.Oikawa,: "Site-specific DNA Damage at GGG Sequence by UVA Involves Acceleration of Telomere Shortening"Biochemistry. (in press).

  • [文献書誌] Y.Hiraku,: "Amplification of Bleomycin-induced DNA Cleavage at Cytosine Residues 3' to GGG Sequences by Pyrrole Triamide"Biochemical Pharmacology. (in press.).

  • [文献書誌] S.Oikawa,: "Detection of DNA damage and analysis of its site-specificity"Experimental protocols for reactive oxygen and nitrogen species. 229-235 (2000)

  • [文献書誌] S.Ohnishi: "Copper-dependent DNA Damage Iinduced by Hydrazobenzene, an Azobenzene Metabolite."Free Rad.Res. 32. 469-478 (2000)

  • [文献書誌] S.Kawanishi,: "Amplification of Pepleomycin-mediated DNA Cleavage and Apoptosis by Unfused Aromatic Cations"Biochemistry. 39. 13210-13215 (2000)

  • [文献書誌] K.Midorikawa,: "DNA Damage by Dimethylformamide : Role of Hydrogen Peroxide Generated During Degradation"Chem.Res.Toxicol.. 13. 309-315 (2000)

  • [文献書誌] 及川伸二: "分子予防医学"松島綱治 編. 384 (1999)

URL: 

公開日: 2002-04-03   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi