一農村地域において、小学2年生、6年生、中学2年生を対象として実施している、生活習慣、成長、栄養状態、血清脂質に関する追跡調査を完了させた。初年度の調査時に小学2年生であった125名(C-I:男子59名、女子66名)のうち123名、また小学5年生であった123名(C-II:男子68名、女子55名)のうち114名が、5年目の調査に参加した。5年目の調査では、エネルギー、総脂質、総たんぱく質摂取量、および課外で習慣的な運動を行う者の割合は、それぞれ2026kcal、67g、64g、62%(C-I男子)、1859kcal、64g、60g、46%(C-I女子)、2530kcal、80g、76g、23%(C-II男子)、1688kcal、56g、51g、0%((C-II女子)であった。身体計測値、血清脂質について、線形モデルにより年間当たりの変化量をみると、身長、体重、Body Mass Index、2カ所の皮脂厚の合計、血清総コレステロール値では、それぞれ、5.9cm、3.9kg、0.48、1.5mm、-(C-I男子)、6.2cm、4.1kg、0.52、1.3mm、-(C-I女子)、6.3cm、5.1kg、0.53、-0.38mm、-(C-II男子)、3.3cm、3.3kg、0.65、2.5mm、22mg/dl(C-II女子)であった(-:有意ではない係数)。以上、本年度は、小学生から中学生の時期における生活習慣、成長・栄養状態、血清脂質の変化等を記述した。次年度は、これら生活習慣あるいは成長・栄養にかかわる因子とヘリコバクター・ピロリ抗体価との関連を検討する予定である。
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