本研究は、脳性麻痺児の入浴に関して、(1)幼児期から学童期、思春期、成人期と年齢、体格の変化に伴い入浴時の介助方法・工夫、福祉機器の導入状況、介助者の負担について調査、(2)半介助群、全介助群に分けて学童期、思春期の福祉機器の導入について検討することを目的とする。 今年度は、15名の日常生活の主な介助者(母親14名、姉1名)への聴き取り調査実施した。また、その内3名には、訪問調査と入浴の介助方法・福祉用具の適応を検討した。対象児は、男子9名、女子6名で、平均年齢14.8歳(9〜18歳)、平均体重31.7kg(12〜63kg)、平均身長137.lcm(100〜157cm)で、入浴全介助が10名、半介助が5名であった。介助者の身体症状は、腰痛がよくある5名、時々ある9名、なし1名、肩凝り・肩の痛みがよくある9名、時々ある3名、なし3名であった。入浴介助の負担感について尋ねた12名中、負担に介助感じることがよくある3名、時々ある5名、将来的には負担に感じるかもしれない3名、負担に感じることがない1名だった。負担に感じ始める時期は11〜13歳で子どもの第2次成長期と一致していた。 入浴の工程で一番大変なこととして、洗い場と浴槽間の出入り8名、浴室と居室の移動、衣服着脱、体や髪を洗うが各々2名だった。洗い場と浴槽間の出入りは、1名がリフトを使用していたが、他の介助者は子ども抱いて浴槽を跨ぐという方法をとっており、子どもの体が大きくなり、介助者の体力が落ちてくると危険性を伴う状況であった。また、脳性麻痺児の場合、洗体が椅子上ではなく床上で行われる傾向(全介助群10名中6名、半介助群5名中4名)にあることは、浴槽への出入りの援助を考える際に考慮しなければならない。
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