研究概要 |
現在までの進捗状況 1)国内外での不法薬物の流通状況を調査した結果、国外では、アヘン、大麻、コカインが主な薬物であったのに反し、日本国内では、覚せい剤が主な薬物であった。 2)本研究では、アンフェタミン、メタンフェタミン、MDMA、MDA、フェンテルミン、フェンフルラミン、2C-B、フェネチルアミンの8種を研究対象として使用した。購入不可能な薬物は、独自で合成したり、他研究者からの譲渡によって入手した。 3)SPMEで利用できる誘導化剤の検討を行った結果、Heptafluorobutyryl anhydride(HFBA)、Pentafluorobenzyl bromide(PFBBr)、Ethylchloroformate(ECF)で、良好な結果が得られた。 4)HFBAは、SPMEで抽出した薬物の誘導化(On-column誘導化)に有用であり、PFBBrおよびECFは、SPMEで抽出する前の薬物の誘導化に有用であった。 5)HFBAを用いた場合、抽出温度70゜C、抽出時間15分が最適な抽出条件であり、5.0〜1,000ng/mまで良好な直線性(定量性)が得られた。また、ECFを用いた場合は、抽出温度80゜C、抽出時間15分が最適な抽出条件であり、1.0〜1,000ng/mlまで良好な直線性(定量性)が得られた。 6)上記方法を使用して、実際の覚せい剤中毒患者の尿試料を分析した(18検体)。その結果、既存の方法で分析した結果とも良い相関性(r^2=0.98)が得られ、実試料の分析にも応用できることが判明した。
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