研究概要 |
【目的】カルシウム依存性プロテインキナーゼll(CaM Kll)のコラゲナーゼ(Coll)プロモーターの活性化に対する影響を明らかにすることを目的とした。 【方法】(1)ヒトCollプロモーター(bp-1,200〜+50)にCATレポーター遺伝子を結合したコンストラクトをGM細胞(CaM Kll遺伝子導入群とベクターのみ導入した群)に遺伝子導入する。24時間後、ホルボールエステル(PMA)でさらに16時問刺激後、CAT活性を測定することで各群間のCollプロモーター活性を比較検討した。 (2)Coll遺伝子の-73〜-65bpに存在するAP-1結合部位を、her pes simplex virusのthymidene kinaseプロモーターを介してCATに連結したレポーターコンストラクトを(1)と同様にGM細胞に遺伝子導入した。細胞を刺激後、CAT活性を測定し、AP-1活性を比較検討した。 【結果】 (1)CaMKllの遺伝子導入による細胞内発現は、COll遺伝子プロモーター活性を約50%抑制した。 (2)AP-1の転写活性はPMA刺激で上昇した。PMA刺激により上昇したAP-1転写活性をCaKllは約60%抑制した。 以上より、CaMkllはAP-1の転写活性の調節を介し、Coll遺伝子の転写活性を抑制すると考えられた。
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