研究概要 |
Infectious HCV clone HC-J4由来のNS5A遺伝子を発現ベクターに組み込み、培養肝癌細胞株Huh7に遺伝子導入し、恒常的にNS5A蛋白を発現する細胞Huh7-NS5Aを樹立した。インターフェロン誘導遺伝子のpromoter領域に存在するIFN stimulated response element(ISRE)の下流にルシフェラーゼ遺伝子を組み込んだレポーターベクター用いて、NS5A蛋白がインターフェロンシグナル伝達に及ぼす影響を解析したところ、NS5A蛋白を発現するHuh7-NS5A細胞においてはインターフェロンにより誘導されるルシフェラーゼ活性は抑制されていた。 さらにインターフェロン誘導遺伝子であるISG15遺伝子のpromoter配列をprobeとしたgel shift assayで分析した結果、NS5A蛋白を発現するHUh7-NS5A細胞においてはインターフェロンに対する反応が阻害されていることが明らかとなった。Western blottingによる解析の結果、STAT-1,STAT-2の発現レベルおよびインターフェロン刺激によるSTAT-1のリン酸化は変化していないことから、それより下流のSTAT-1,STAT-2およびp48の複合体であるISGF3の形成、あるいはDNA結合が阻害されることにより、NS5A蛋白のインターフェロンシグナル伝達抑制が生じる可能性が示された。
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