研究概要 |
健常女性4名の月経期,卵胞期,黄体期に末梢血を採取し,6%Dextranを加えて白血球層をとり,さらにPercoll比重遠沈法にて好酸球を分離し,2.5%glutalalaldehydeにて固定した.細胞懸濁液をpoly-L-lysineにてガラス板に吸着させ.3%白金ブルー液30分にて染色したのち.20%DMSOに5分浸け.低真空走査型電子顕微鏡にて観察した. 正比重の好酸球では表面の突起の丈が短いのに対し,低比重の好酸球では突起が大きく波打ち,表面に穴があいて細胞内から外への物質の放出がおこっているものもみられた. 内部の核や顆粒はやや透見できたが,十分ではなかったため,サポニンにより膜に微小な孔をあけ,染色液の浸透をはかる,またはオスミウム染色への変更を試みたが,著変なかった. また,膜がこわれて,一部脱落しているものがみられ,中に顆粒がぎっしりと詰まっている様子が観察された好酸球の脱顆粒は好中球,好塩基球のような開口分泌とは異なり,膜の破壊を伴うといわれるため,この分泌様式を知る意味で表面観察をつづけるとともに,内部の顆粒の状態をみるため,凍結研磨法を試行中である. 現在のところ,内部の状態がいまだ安定して観察できないため,月経周期による検討は加えていない.
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