研究概要 |
今年度は、(株)小池メディカル、住友金属鉱山(株)の協力により開発した、2台の呼吸同調器を使用した鼻カヌラより酸素と低濃度一酸化窒素を混合し吸入させるシステムを用いて,当院倫理委員会によって承認された本研究に対する説明・同意書に対し参加同意の意志が確認された健常者に5ppm〜20ppmの低濃度一酸化窒素を吸入させた。 低濃度一酸化窒素を吸入により血圧,脈拍,血中メトヘモグロビンは有意な変動を認めず,動脈血液ガスの改善が認められた。しかし,鼻腔内の一酸化窒素濃度に関しては,5ppm〜10ppmの吸入濃度の時に変動が激しく,一定の濃度が維持出来ない状態が見られた。このため,再度モデル肺を用いてシステムをチェックしたところ,換気量により測定値が変動する可能性が考えられたため,現在この問題の解消方法を検討している。 平成12年度は、健常者での研究を続け症例数を増やし,その後,肺高血圧症の症例に対して、このシステムを用いて低濃度の一酸化窒素を吸入させ、安全性および心機能および酸素化能の改善の程度を評価する予定である。
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