研究概要 |
(1)対象 当院ならびに関連病院に入院中の結核菌10例を対象として行った。うち、4例はINHとRFPの2剤に耐性を示す多剤耐性結核であった。患者には事前にインフォームドコンセントを行った。 (2)検体の採取 当院ならびに関連病院に入院し、結核菌PCR法陽性であることが判明している患者より喀痰を採取。 (2)喀痰処理 喀痰はBBLマイコプレップ(日本ベクトン・ディッキソン)にてNaOH処理、NALC処理をおこなった。その後、これをPCR用と小川培地用の2つに別けた。 (3)DNAの抽出 喀痰処理後、アンプリコア(日本ロシュ)を用い結核菌のDNAの抽出を行った。同様に培地からもDNAの抽出を行った。 (3)DNAの増幅 RFPはrpoB遺伝子、PZAはpncA遺伝子について検討した。プライマーの塩基配列、およびPCRの条件はそれぞれすでに報告されているため、同様のプライマーを作成し、PCRを行った。報告と同じPCRの条件ではうまくPCR産物のバンドが確認されなかったため、PCRの条件を変更して、バンドの確認を行った。喀痰から抽出を行った群ではバンドが確認されたものが3例のみであった。培地から抽出を行った群ではいずれもバンドが確認された。得られたPCR産物はSUPREC-02カラムにて精製(TAKARA)にて精製,50-100ngをテンプレートとしてDirect Sequenceを行った。Direct SequenceはCycle Sequence法によりDye terminator cycle sequencing FS ready reaction kit(PERKIN ELMER)を用いた。泳動はABI auto sequencer(ABI-PRISM373)にて行った。現在その結果を解析中である。
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