本年度は、昨年度に引き続き、局所脳虚血・再潅流時の小胞体カルシウム動態の変化を明らかにする目的で、ラット一側中大脳動脈の栓子法による閉塞・再潅流モデルを用い、^<14>Cヨードアンチピリン法で局所脳血流量を測定し、^<45>Caオートラジオグラフ法で小胞体カルシウム動態を検討した。 更に本年度は、日本新薬より供与を受けた、NS-7(NaイオンCaイオン拮抗薬)を使用し、虚血後・再潅流後の細胞内カルシウム濃度の上昇を抑制することにより、細胞障害の程度、小胞体カルシウム動態への影響がいかなるものかを検討した。 その結果、NS-7投与動物では、虚血後・虚血再潅流後ともに、細胞障害の程度が軽減され、Ca^<2+>-ATPaseの機能が維持されることが示された。 また本年度は、ラットにおける実験系をマウスにおける実験系に移行するための準備をほぼ完了し、再現性良く局所脳虚血を作成するに至っている。
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