研究概要 |
ラット新生児心筋細胞の初代培養を行い、初代培養した心筋に対し、無血清培養24時間後にLIF 1000u/mlにて心筋細胞の刺激を行った。 1.CaMK II assay 刺激後一定時間の後に細胞を融解した。上清に対し抗CaMKII抗体を添加し、免疫沈降されたCaMKIIに対し、CaMKIIの基質となる合成ペプチドCamtide2および[γ-^<32>p]ATPを反応させた。反応後、P81ホスホセルロース紙に滴下しリン酸溶液で洗浄し、液体シンチレーションによりCaMKIIのリン酸化を測定した。LIF刺激によりCaMKII活性は有意に増加し、刺激後15分で最大対照の2,2倍となった。その時間経過はLIFによるCa^<2+>電流の増加の時間経過と完全に一致していた。 2.[^3H]-Phenylalanine取り込み LIF刺激24時間後の[^3H]-Phenylalanineの細胞への取り込みを液体シンチレーションカウンターにより測定した。CaMKIIの特異的阻害薬であるKN62を培養液中に事前に添加し、CaMKII活性化の抑制作用を解析した。LIFによる心筋細胞の[^3H]-Phenylalanineの取り込み上昇は約40-50%である。KN62はこの増加を部分的に濃度依存的に抑制した。 3.Northern blot法 CaMKIIの特異的阻害薬(KN-62)により前処置を行いLIF1000u/mlにて刺激した。心肥大のマーカーであるc-fos、BNP、ANPの発現をRNAレベルでノザンブロット法により観察した。LIF刺激にてc-fos、BNP、ANPの発現は増強し、それはKN-62によりいずれも部分的に抑制された。 LIF刺激による心肥大形成にはL型カルシウムチャネルを介したCa^<2+>電流の増加によるCaMKII活性化が寄与していた。
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