我々はこれまでLIFが成獣ラット心筋細胞のL型Ca-channelを介したCa2+電流を増大すること、これに伴い心筋[Ca2+]-transientが増大すること、このシグナル伝達にはMAPK系が関与することを報告した[J Mol Cell Cardiol.1999;31]。これに引き続きこのLIFのL型Ca2+-channe1を介したCa2+電流増大作用がCa2+/Calmodulin-Calmodulin dependent protein kinase II(CaMK II)を活性化すること、CaMK IIの活性化が心肥大に関与していることを見出した(Circ Res.2000;87)。 ラット新生児心筋細胞の初代培養を行った。初代培養した心筋に対し、無血清培養24時間後にLIF1000u/mlにて心筋細胞の刺激を行いCaMKIIの活性の上昇を確認し続いて以下をおこなった。 【Perforated pach clump法及び蛍光色素による[Ca2+]-transient測定】LIFがラット新生児心筋細胞のL型Ca-channelを介したCa2+電流が増大し、これに伴い心筋[Ca2+]-transientが増大した。 【ゲルシフト法】LIF刺激した細胞より核分画を抽出する。抽出した核分画に対し、CaMKIIの下流にあるCEBP等のゲルシフトアッセイを行、CEBPの活性化及び、これに対しCaMKIIのDN form transfectionがこの活性を抑制することを確認した。 【細胞面積】LIF刺激した細胞と対照の細胞を固定し、ミオシンの抗体による免疫蛍光写真を撮影後コンピューターに取り込み、細胞面積の測定を行った。LIFによる細胞面積の増加に対し、CaMKIIのDN form transfectionの抑制作用を認めた。
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