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1999 年度 実績報告書

ダブル分子血流トレーサを利用した冠細動脈塞栓後の心筋微小循環異常の経時的計測

研究課題

研究課題/領域番号 11770388
研究機関川崎医療短期大学

研究代表者

松本 健志  川崎医療短期大学, 臨床工学科, 助教授 (30249560)

キーワードダブル分子血流トレーサ / 冠微小循環障害 / 血流分布パターン
研究概要

【目的】エネルギーの異なる2種の放射性分子血流トレーサ(^3H-DMI、^<125>I-DMI)を用いた心筋血流デジタルラジオグラフィを確立し、マイクロスフェアによる冠細動脈の塞栓前後の微小心筋血流パターン変化を評価する。
【方法】ダブルトレーサ法 心筋ペーストを異なる濃度のHDMIおよびIDMIとホモジェナイズし、各ペースト内の放射活性濃度を計測した。次いで、同ペーストから10μm厚切片を作製し、^3H用TRIP(^3Hおよび^<125>Iの検出)および汎用MSIP(^<125>Iのみの検出)に露光してオートラジオグラム(AG)を作成した(100 pixels/mm^2)。TRIP上のHDMIとIDMIの重畳イメージからHDMIイメージを抽出するための較正曲線、すなわち、心筋内HDMIおよびIDMI濃度(cpm/mg)vs.TRIPによるAG濃度(au)、心筋内IDMI濃度vs.MSIPによるAG濃度を求めた。実験プロトコル 38℃タイロード溶液潅流によるウサギ・ランゲンドルフ心において、IDMI(1μCi)投与後に直径15μmのマイクロスフェアを8×10^1個(約10個/mg)投与し、次いでHDMI(10μCi)を投与した(各々20秒間隔)。左室自由壁の心筋スライスを作製し、オートラジオグラフィ、イメージ・サブトラクションによって塞栓前後の潅流パターンをイメージングした。解析上のピクセルサイズは400μm×400μmとした。
【結果】塞栓後の潅流パターンは塞栓前の潅流パターンと定性的にほぼ一致した。(局所潅流相関値r=0.83±0.05)。しかし、局所潅流量の変動係数CV(SD/mean)は塞栓によって0.19±0.03から0.26±0.04に増加し(p<0.05)、空間的潅流不均一性の増強がみられた。
【結言】2核種標識のトレーサを利用したオートラジオグラフィにより、微小塞栓が毛細血管レベルの心筋潅流不均一性を上昇させ、一部の低潅流域はより不利な潅流条件に晒されることが示された。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] T.Matsumoto,J.Ebata,H.Tachibana,M.Goto,F.Kajiya: "Transmural Microcirculatory Blood Flow Distribution in the Right and Left Ventricular Free Walls of Rabbits"Am.J.Physiol.. 277. H183-H191 (1999)

  • [文献書誌] 梶谷文彦、松本健志: "Coronary MicrovesselのHeterogeneity"Heart View. 3・6. 596-601 (1999)

  • [文献書誌] 小笠原康夫、望月精一、仲本博、松本健志、豊田英嗣、梶谷文彦: "虚血心筋における局所代謝イメージング -代謝異常の時・空間的不均一性の可視化-"脈管学. 39・12. 813-817 (1999)

  • [文献書誌] 梶田達也、小笠原康夫、松本健志、立花博之、仲本博、望月精一、重藤史行、梶谷文彦: "NADH蛍光イメージングシステムと分子トレーサイメージングを用いた局所心筋代謝と血流分布の空間的比較検討"信学技報. MBE99・52. 107-114 (1999)

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公開日: 2001-10-23   更新日: 2016-04-21  

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