【研究目的】本研究の目的は、1.転写因子 Bach1 トランスジェニツク・マウスを作製し、この因子の生体内での機能を明らかにするとともに、ダウン症にみられる一過性骨髄増殖性疾患や急性巨核芽球性白血病との関連について検索すること。2.発現調節可能な哺乳動物発現ベクターに Bach1 を組み込み、赤芽球/巨核球系細胞株に遺伝子導入し、表現型を検索することである。 平成11年度 研究計画および実績は以下の通りである 【1.ヒトBach1転写因子・トランスジェニック・マウスの作製】 全長型ヒト Bach1 cDNA マウスGATA-1遺伝予由来のプロモーターをもった発現ベクター(IE3.9int.polyAA)に組み込み、トランスジェニック・マウスを作成した。現在、表現型を解析中である。 【2.発現調節可能なベクターを用いたヒトBach1の機能解析】 テトラサイクリン制御・発現ベクター(pT2Neo)にヒト Bach1 cDNA を組み込み、赤芽球系細胞株UT-7に遺伝子導入した。ネオマイシンによる選択と限界希釈法により、stableの遺伝子導入株を得ることに成功した。現在、得られた複数の株について、導入された遺伝子の発現の制御が可能かどうか検索を進めている。
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