研究概要 |
これまでに当院にて治療を受けた小児血液悪性腫瘍疾患患者について、末梢血単核球のHPRT遺伝子座における体細胞突然変異率(mutation frequency,Mf)を6-thioguanine(6-TG)を用いた限界希釈法にて測定し、且つ同様にフローサイトメトリーによるTCR遺伝子座におけるMfも測定した。これらの症例のうち発症時の白血病細胞あるいは腫瘍細胞の保存があった3症例およびその他に新たに白血病を発症した20症例については白血病細胞あるいは腫瘍細胞のERCC1,XPCC,MTH1,hMSH2などのDNA修復遺伝子の変異の有無をPCR法を用いて検討した。以前にBr.J Haematolに報告した症例はERCC1に変異が見られたがMfは正常範囲内であった。また、この症例以外にDNA修復遺伝子に変異を持つ腫瘍細胞を有する新たな症例を見いだせなかった。今後、より一層の症例の集積が必要と考えられる。
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