研究概要 |
1.TSLPのT細胞分化に対する役割を明確にした。 (1).IL-7Rα-deficient/bcl-2transgenicマウスの作成・飼育 BALB/c backgroundのIL-7Rα-deficient mouseおよびbcl-2 transgenic mouse両者を掛け合わせることによって1)Wild-type,2)IL-7Rα-deficient,3)bcl-2 transgenic,4)IL-7Rα-deficient/bcl-2 transgenic mouseを生成・飼育し、この4種類のマウスの識別のためにPCRによるtypingを行った。 (2).抗TSLP抗体によるT細胞分化への影響 T細胞分化のみを観察できるIL-7Rα-deficient/bcl-2 transgenic mouse(週齢9-13週、5匹)に対し、抗TSLP抗体もしくはisotypeが合ったcontrol抗体を実験10日前より週3回腹腔内に注射した。実験当日各マウスから胸腺を摘出し、螢光色素fluorescein isothiocyanate(FITC),phycoerythrin(PE),fluorochrome Cy5で標識した各種モノクロナル抗体で染色し、FACSCalibur analyzer(Becton-Dickinson)でthree-color分析を行った。CD3-CD4-CD8-CD24+CD25+CD44-を表現型としてもつ未熟胸腺細胞の増減を比較検討したところ、特に抗TSLP抗体を投与した際に有意にこの表現型の細胞が減少していた。すなわち、新しいサイトカインTSLPはT細胞の分化に必須であることが明らかになった。再現性を確認するため同実験を3回施行し同様な結果を得た。 2.TSLPの自己免疫異常に対する役割解明のため、自己免疫異常を有するマウスの収集を開始した。
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