初期発生において、背腹軸に沿った極性化が行われる過程で、sonic hedgehogが脊索に強く発現し、いわばオーガナイザーとしての役割を果たすことが明らかとなった。近年、この形態形成シグナルが、背腹軸、頭尾軸の形成のみならず、左右軸の決定においても重要な役割を果たすことが明らかになりつつある。このシグナルカスケードは、生物種によっても異なると考えられ、ニワトリでsonic hedgehog、activin受容体の関与が報告されているが、マウスでの関与は、未だ十分に検討されていない。 我々は、心臓発生過程におけるactivin受容体の役割を明らかにする目的で、マウス胎仔におけるactivin受容体の発現を解析した。免疫組織化学的手法で、12.0dpcから12.5dpcにおいては、右室流出路から円錐中隔の心筋細胞膜、細胞質にactivin受容体の発現が認めた。大血管、半月弁、房室弁、大動脈円錐での発現は認めなかった。14.5dpc以降においては、activin受容体の発現を認めなかった。12.0dpcから12.5dpcのマウス胎仔の心臓で、部位、時間特異的なactivin受容体の発現が確認でき、マウスの心臓の形成過程において、activin受容体が、右室流出路の形成に関連するとが推測された。
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