前2年間に引き続き、ヒトWilson病およびMenkes病の遺伝子を用いて、蛋白を合成しそれに対するポリクローナル抗体を作製、精製した。構造遺伝子上の推定上の銅結合部位4-6位に対してExpression vecterを用いて蛋白合成し精製後、ウサギに免疫しポリクローナル抗体を得た。また抗体をさらにProtein A beadsにてIgG cutし、さらに抗体を作製したもとの蛋白を用いたaffinity purificationを行い、より特異度の高い抗体を作製できた。前年度に引き続き患者および正常コントロール肝組織に対して、immunohistochemistryを行った。Wilson病の肝組織は4検体、正常コントロール検体は2検体である。前年度得られた発症前型Wilson病の肝組織の検討はback groundが強く難航している。前回までの検討同様、胆管周囲でのシグナルは認めるものの特異性に欠けており現在も検討中である。検体数は序々に増えているものの染色のテクニック的な問題でいたずらに消費できず手順の再構築も同時に行っている。あきらめずに検討していきたい。
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