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2000 年度 実績報告書

ジメルカプトコハク酸の結合蛋白の固定と腫瘍細胞への取り込み機序についての解明

研究課題

研究課題/領域番号 11770500
研究機関山梨医科大学

研究代表者

ALI Syed Arbab  山梨医科大学, 医学部, 助手 (20303399)

キーワード99mTc(V)DMSA / tumor cell accumulation / ion channel transportion / diffusion / protein binding inhibition
研究概要

乳癌細胞(RCB1192)、脳腫瘍細胞(RCB0763)及び肺癌細胞(RCB0815)を用いて、99mTc(V)DMSA(以下DMSA)の集積および洗い出しに関する実験を行なった。
まず、生理的イオン濃度のBufferを用い、時間-集積曲線と時間洗出し曲線をそれぞれの細胞において作成した。いずれの癌細胞においても、DMSAの集積は経時的に漸増しており、全てはほぼ似た曲線を示した。洗い出しに関しては乳癌細胞・肺癌細胞では最初の10分で急速に洗い出しが見られ、後は暖徐となった。脳腫瘍細胞での洗い出しは、全体を通し暖徐であった。次いで、細胞膜にあるイオンチャンネルの関与を調べるため、それらを阻害する薬剤を加え、集積について実験した。全イオンチャンネル阻害剤として、高濃度のK+(140mmol/l)のbufferや、ウアバイン(Na+-K+ATPase阻害)の添加濃度を変化したBufferを用い実験した。これらを用いても、DMSAの集積には影響は見られなかった。DMSAの集積は、イオンチャンネルを介しておらず、もっぱら拡散によることが推察された。
蛋白との結合あるいは競合により、集積が阻害されるかを調べるため、幼牛血清アルブミンを濃度を変えて添加し、それぞれの集積・洗い出しについて実験した。この結果、蛋白添加によって有意に集積の低下が見られた。蛋白濃度と摂取率には、有意な相関は見られなかった。洗い出しに関しては蛋白添加の有無は関与していなかった。このことから、DMSAと蛋白とは、競合では無く結合により集積阻害が起こることが推察できた。
以上の実験から、1)DMSAの集積は拡散である。2)DMSAの集積は細胞外の蛋白との結合によって阻害されうる。
3)今回の3種類の細胞では、実験結果にほとんど差異が見られなかったため、DSMAは非特異的な腫瘍シンチ製剤であろうという3つの結論に到達した。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] Arbab AS,Koizumi K,Toyama K,: "Effects of ion channel modulators in the influx and efflux of Tc-99m-MIBI."Annals of Nuclear Medicine. 13(1). 27-32 (1999)

  • [文献書誌] Arbab AS,Koizumi K,Toyama K: "Technetium-99m-tetrofosmin, technetium-99m-MIBI and Thallium-201 uptake in rat myocardial cells."Journal of Nuclear Mediocine. 39(2). 266-271 (1998)

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公開日: 2002-04-03   更新日: 2016-04-21  

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