研究概要 |
核磁気共鳴画像により心筋の血流の定量的評価の可能性を探るためにまず、動物実験において最近開発された肺血流のイメージんグ法に応用してその可能性について検討を行った。肺は従来は核磁気共鳴画像を撮像しづらい領域とされていたが、最近の核磁気共鳴装置の進歩によりエコー時間を短くすることにより磁化率アーチファクトを克服することが可能となった。従来から核磁気共鳴画像による血流評価の方法として従来より試みられているindicator dilution theoryに基づき評価が可能かどうかの妥当性を拍動による動きや不整脈の影響の少ない肺をついて動物実験を行いマイクロスフェアーをゴールドスタンダードとして比較した。平均通過時間、分布容積及び(分布容積/平均通過時間)とマイクロスフェアーから求められた血流の絶対値との相関を求めた。その結果、平均通過時間、分布容積及び(分布容積/平均通過時間)と血流の絶対値は良好な相関関係が認められ、相関係数はそれぞれ、0.79,0.85,0.88であった。これらの結果から、核磁気共鳴画像においてもindicator dilution theoryに基づき定量評価が可能であることが示された。心臓に応用する場合不整脈の影響により信号が正しく心筋の造影剤濃度を反映しない可能性があるもののsaturation recovery法を用いることにより不整脈の影響を取り除くことが可能である。これらの結果をふまえ来年度はさらに人体の心臓に応用し、ポジトロンCTによる評価と比較しその妥当性と限界を明らかにしていく予定である。
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