研究概要 |
本研究はshort echo space FSEを用いたMR Angiographyの基礎的検討と臨床応用を試みた研究である. ファントム実験;VlSART/EX(東芝製)にて、部分フーリエ法を用いたエコー間隔が5ミリのshort echo space FSE法を用いたファントム実験を施行した。結果は実効TEの短い撮像シーケンスほど血管の信号値が高い傾向がえられるが、バックグラウンドの信号も上昇し血管のコントラストは明瞭化しなかった。shot数の増加はコントラストを低下させた。また、流速が早いと中心部でflow voidのため信号が低下した。 臨床研究(健常人ボランティアならびに血管性疾患症例);健常人ボランティアでは、ファントム実験で得られた結果をおおむね反映する画像が得られた。しかし.臨床症例((1)動脈瘤や閉塞性動脈疾患などの血管病変または、門脈や静脈系に浸潤した腫瘍性病変を有し、約1時間の臥床が可能でMRI検査に耐えられる体力を有する。(2)あらかじめ血管造影検査やCT-Angiographyが施行されているか予定されている.(3)上記検査の2週間以内にMR Angiographyが施行できる.(4)本検査の内容を理解しInformed consentが得られる)では,Entryした症例が少ないためもあるが,脈管描出能は既存の造影MR Angiographyと比較し,必ずしも高い有用性を持っていなかった.これには,静脈との重なりや胸腹水などの影響があるものと思われた.しかし,非造影MR Angiographyとしては,比較的広い範囲を数分程度の短時間で撮像できる長所もあり、次年度も症例の蓄積と更なる検討を続ける予定である.
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