研究概要 |
1.21q 22.3そううつ病領域のBAC/コスミドコンティグ作成と塩基配列決定 躁鬱病の原因遺伝子がマップされている21q 22.3上のマーカーMXI-D21S1259-D21S171間の約3.5Mbの領域をカバーするため、我々が作製したヒトゲノムBACライブラリーと21番染色体特異的コスミドライブラリーを活用して、BAC/コスミドコンティング(整列クローン)を作成した。それらのコンティグ中の各クローンを出発材料にしてショットガンシーケンス法により3.5Mbの塩基配列を完全に決定した。シーケンシングは99.99%以上の精度で行った。 2.コンピュータを用いた遺伝子断片の探索 得られた塩基配列データからAlu配列やLine1などの反復配列をマスクして除去した後、GenBank等のデータベースに登録されている既知遺伝子やESTと照合して、ホモロジー検索を行った。その結果、CBR1,HLCS,ETS2,MX1,CRYAA,PDXK,CSTB,NNP-1,TMEM1,PWP2,PFKLなど26個の既知遺伝子を同定した。またGRAILやGENESCANなどのプログラムを用いたエキソン予測とcDNAクローニングからCBR3,LPAAT,KNP1,KNP3/TRPC7,KNP5,AIREなど14個の新規遺伝子を同定し、ゲノム解析を決定した。 現在、各遺伝子の各エキソンを増幅するPCRプライマーを作製し、これらの遺伝子の中で躁鬱病患者に特異的な変異が存在するかどうか検索を進めている。
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