研究概要 |
G-CSF刺激により、増殖シグナルを伝達していると考えられているJakキナーゼのうち、Jak1,Jak2,Tyk2が活性化される。報告されたJak1,Jak2欠損マウスの表現型によるとJak1,Jak2の欠損は顆粒球の増殖に影響を与えておらず、IL-3,IL-6,Tpo,Epoなどによる増殖シグナルは障害されるものの、G-CSFの増殖シグナルは正常に伝達されている。この事より、G-CSFによる好中球の増殖には、G-CSFにより活性化される残りのJakキナーゼであるTyk2が必須であるか、または1種類のJakキナーゼの欠損を他のJakキナーゼが補完している可能性が想定され、この点を生体内で明確にするため、Tyk2欠損マウスを作成をおこなっている。 ヒトTyk2 cDNAを用いてマウスcDNAのクローニングを終了し、この5'領域(ATG近傍)をプローブとしてES細胞のgenomic libraryのスクリーニングを行い、genomic DNAの構造を明らかにした。開始コドンを含む第1 Exsonをneomycin registance geneで置換し、targeting constractを作製、これをES細胞に遺伝子導入し、相同組み換えが生じたES細胞を5クローン得た。これをmouse blast cystに導入し、chimera miceを得た後、交配後、F1 mice、Tyk2欠損マウスを確立する予定である。
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