1.競合的RT-PCR法による肺サーファクタント蛋白質(SP-A、B、C、D)mRNAの定量法の確立 (1)肺mRNAの抽出 肺組織からのtotal RNAの精製は、TRIZOL^<【○!R】> reagent(GIBCO BRI/Life Technologies)を用いて行った。RT-PCRに用いるサンプル量は、β-actin mRNAの定量で補正した。 (2)サーファクタント蛋白質(SP-A、B、C、D)DNA competitor、RNA competitorの作製 SP-Bについて、TaKaRa competitive DNA construction kit(宝酒造)を用いて、SP6プロモーター領域を持つDNA competitorを作製した。次いでこのDNA competitorを鋳型にしてRNA competitorを作製した。現在SP-A、C、Dについてもcompetitorを作製中である。 (3)肺サーファクタント蛋白質mRNAの定量 肺RNAと#2で作成したSP-BのRNA competitor(9段階に希釈、10^5〜10^9 copies)とを競合させてRT-PCRを行い、SP-BのcDNAの特異的塩基対を増幅した。PCR終了後、アガロースゲル電気泳動を行い、泳動パターンからSP-BのRNA量判定を行った。すなわちSP-BのPCR産物と分子量の異なるcompetitorのPCR産物の発現量が同一レベルとなったRNA competitor量をRNA量とした。 2.臨床例での検討 肺疾患症例の剖検肺組織よりRNAを抽出し、上記の方法で競合的RT-PCR法を行うことにより、SP-B mRNAの発現状況を検索した。 3.従来のノーザンブロット法との比較 従来のノーザンブロット法との比較を行って、本研究によって開発された測定系の信頼性と有用性を検証した。
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