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2000 年度 実績報告書

大腸癌肝転移におけるラミニンとテネイシンの組織化学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 11770683
研究機関近畿大学

研究代表者

所 忠男  近畿大学, 医学部, 助手 (30278676)

キーワード大腸癌 / 神経浸潤 / テネイシン / Transforming Growth Factor-β1
研究概要

進行直腸癌の局所再発について、癌細胞の浸潤能が関与していることから直腸癌治癒切除標本をもちいて細胞外マトリックスであるテネイシンと癌細胞のTGFβ-1発現が局所再発の危険因子のひとつである神経浸潤とどのような関連があるかを検討した.
進行直腸癌切除標本についてテネイシンの免疫組織化学染色を行なったところ、染色性は従来報告されているように陽性例では癌間質にびまん性に認められ、癌細胞自身に染色されるものは認められなかった.TGFβ-1発現は癌細胞細胞質に微細顆粒状に認められた.神経浸潤はラミニン染色とヘマトキシリン・エオジン染色により判定した.103例中局所再発は15例(14.6%)に認められ、神経浸潤は34例(33.0%)に認められた.局所再発例の60.0%に神経浸潤が認められたのに対し、無再発例では28.4%で有意に局所再発例で神経浸潤が高率であり、神経浸潤は局所再発の危険因子であった.次にテネイシン発現をみると局所再発例では66.7%、無再発例では36.4%で有意な相関が認められ、神経浸潤については神経浸潤陽性例の70.6%に発現が認められたのに対し、神経浸潤陰性例では26.1%であり有意差が認められた.さらにTGFβ-1発現は局所再発および神経浸潤とは相関は認められなかったが、テネイシン発現との間に有意な相関が認められた.
これらの結果から直腸癌の局所再発因子として神経浸潤は重要であり、テネイシン発現は神経浸潤を促進している可能性が示唆された.またTGFβ-1は細胞外マトリックスのひとつであるテネイシンに作用して神経浸潤を含めた癌細胞の局所進展に関与していると考えられた.

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] 内田寿博,所忠男: "直腸癌神経湿潤における細胞外マトリックスの重要性"近畿大学医学会雑誌. 25巻1号. (2000)

  • [文献書誌] 所忠男: "左側大腸癌イレウスに対する軽肛門的減圧チューブの有用性と問題点"日本消化器外科学会雑誌. 第33巻7号. 1348-1348 (2000)

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公開日: 2002-04-03   更新日: 2016-04-21  

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