本年度は、抗MUC1抗体のHybridoma MUSE11よりVH、VL鎖をPCRにて単離し一本鎖抗体scFvを作製を試みた。ScFvのcDNAを組込んだプラスミドを作製し、その蛋白発現をウエスタンブロットにて確認した。さらに、その集積、活性などをフローサイトメトリーにてscFvの特性を確認した。その結果の一部は、J Biochem(Tokyo)(1)に掲載され、抗MUC1抗体のscFvの特性は確認された。 scFv-zeta鎖を組込むため、抹消血単核球(PBMNC)、あるいはPBMNCをサイトカインIL-2で刺激したリンパ球よりRT-PCR法にて単離を試みたが、特異的PCR産物が得られず、様々な方法を試行したがzeta鎖のサブクローニングは不成功に終わった。しかし、その代案として同時に施行していた、co-stimulation factorの一つである4-1BBLのサブクローニングは成功し、アデノウイルスAd5と相同置換部位を持ち、CMVプロモーターを持つshuttle vector(pAd5)に組込み、アデノウイルスベクターの特異性を検討した。
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