実験動物として子犬を用い、大腿静脈を清潔化に採取し自己細胞の起源とした。通常の細胞培養手法を用いて単離された細胞の大量生産を行った。十分な細胞数を得た後、生分解性ポリマーにin vitroで播種し吸収性ポリマー上での培養を約一週間継続した。その後、細胞を採取した同一の動物に対して移植手術を行った。移植前日にホリマー上の細胞に対して蛍光色素を用いた細胞の追跡用マーキングを行い播種された細胞と自己細胞との鑑別を試みている。移植3-12ヶ月後に作成された組織に対して生化学的、生力学的、免疫組織学的検討を行う予定である。生化学検査として、組織中コラーゲン、エラスチン、カルシウム濃度の測定を行い、インストロン張力検査機を用いて作成された組織の最大張力を測定し自己の同じ部位の組織と比較検討する。組織学的には免疫染色の手法を用いて内皮細胞の指標である第八因子を染色すると共に細胞間隙の間質蛋白質を染色し自己組織と比較検討する。実験モデルとして肺動脈弁全置換モデルを使用し、人工心肺による体外循環下に肺動脈弁全置換を行った。現在、動物は生存しており、遠隔期に犠牲死させて、以上の評価を行う。 同種細胞(allogenic)は拒絶反応の因子を排除できないため、細胞は全て自己(autologous)細胞を用いた。
|