非虚血心に対する冬眠誘発因子であるD-Ala2-Leu5-enkephalin(DADLE)投与の循環動態及び心筋代謝に及ぼす影響を検討するために、その実験系の確立を目的としsuppor ratを用いた血液交叉体外循環モデルを作成し、これが実験に適したモデルであることを報告した。 [1]実験動物:Wistar系rat20匹を使用した。 [2]実験方法:pentobarbitalの腹腔内投与による全身麻酔及び人工呼吸管理下に循環動態の安定化を得た後、大腿動静脈にcannulaを挿入し血液交叉体外循環回路に接続する。同系ratより摘出した心臓をこの回路に装着し、冠灌流を行い心機能の安定化を確認した。 [3]測定項目及び方法 左心室内バルーンにより心機能測定を行い、冠灌流血液及び冠静脈血を採取し両サンプルの差異より心筋酸素摂取量、乳酸及びピルビン酸摂取量、CK-MB及びcirculating adhesion molecules遊出量を測定した。 平成11年度の研究実績により実験モデルが確立され、平成12年度はこの実験モデルに対してDADLE及びその拮抗剤とされるnaloxaneを投与し循環動態及び心筋代謝を測定する予定である。
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