klotho遺伝子及びOCIF遺伝子によるダブルノックアウトマウスの作成。ダブルノックアウトマウスの作成上、早期老化を示すklotho遺伝子変異マウスが変異遺伝子をホモ(klotho(-/-))に持つ場合、生殖能力が低下し短命であるため、ヘテロ変異体(klotho(-/+))で系統維持する必要がある。また、OCIF遺伝子ノックアウトマウスはホモ変異体(OCIF(-/-))の寿命が約半年と短いので、このマウスもなるべくヘテロ変異体(OCIF(-/+))で系統維持する。Klotho遺伝子・OCIF遺伝子ダブルノックアウトマウスの作成は、以下に述べる方法で行なった。Klotho遺伝子変異マウスのヘテロ変異体(klotho(-/+))とOCIF遺伝子ノックアウトマウスのホモ変異体(OCIF(-/-))の掛け合わせからF1を得て、それらに関して遺伝子型の同定をPCR法を用いて行い、klotho(-/+)OCIF(-/+)を選別した。現段階ではこの選別したF1(klotho(-/+)OCIF(-/+))の雄20匹、雌13匹得られている。この選別したF1(klotho(-/+)OCIF(-/+))とOCIF(-/-)を再び掛け合わせてF2を得た。この中から上記と同様に遺伝子型を同定してklotho(-/+)OCIF(-/-)を選別して、実験に用いるダブルノックアウトklotho(-/-)OCIF(-/-)を作成するための親として系統維持を行なっている。この親マウスが現時点で雄4匹、雌3匹得られた。これらの掛け合わせから作成したklotho(-/-)OCIF(-/-)ダブルノックアウトマウス(雄1匹、雌1匹)において、klotho(-/-)単独と同じ生育遅延傾向を示した。生育の遅延に対してOCIF欠損による抑制効果は見られないと考えられる。
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