手術時に得られたDIP関節の関節軟骨を試料とし、関節軟骨の主要な構成成分であるコラーゲンやプロテオグリカンなどの存在状態を、免疫組織学的ならびに分子生物学的に明らかにする。また、特殊な抗体を用いて、分解されつつあるII型コラーゲンの局在を検討した。 表層から順に線維性の結合組織、線維軟骨様組織、硝子軟骨様組織、骨組織から構成されるようになるが、線維軟骨様組織は種々の割合で混在していた。この線維軟骨様組織には円形の細胞が存在し、その細胞外基質はII型とIII型コラーゲンならびにプロテオグリカン抗体で不均一に染色された。一方、硝子軟骨様組織は円形の軟骨細胞とII型コラーゲン、プロテオグリカン抗体で均一に染色される基質より構成されていた。 また、最下層の肥大軟骨様細胞とその周囲の基質はMMP-3抗体で染色され、骨組織との境界部ではCD34抗体で染色された。
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