ラリンジアルマスクを用いた喉頭痙攣モデルを作成する前段階として、ネコにラリンジアルマスクが解剖学的に適切な位置に留意されるかどうかを、ネコ3匹を用いて検討した。ペントバルビタールで麻酔導入した後、ラリンジアルマスク(サイズ2)を挿入した。挿入後、十分に陽圧換気ができること、気管支ファイバーで喉頭がマスクの直下で開口していることを確認し、動物用MRIを撮影してマスクと喉頭との位置関係を検討した。マスクの挿入はいずれも1回の施行で容易であった。また、いずれも喉頭がマスク中心の直下に位置することを、気管支ファイバーならびにMRIで確認できた。この予備実験より、ラリンジアルマスクがヒトと同様、ネコでも気道確保のための器具として適切であることが明らかとなった。 次に誘発された喉頭痙攣が、ラリンジアルマスクを介して観察可能かどうか検討した(n=5)。セボフルランで麻酔を維持し、1%程度の浅麻酔下、0.1Mアンモニア水1mlを気管支ファイバーを用いて喉頭に注入し、喉頭痙攣が誘発されるかどうかを確認した。喉頭痙攣は気管支ファイバーで観察可能であった。呼吸モニターでも典型的な喉頭痙攣パターンのグラフが得られた。現在、喉頭筋群の筋電図を捕捉中である。 次年度の研究として、電気刺激による喉頭痙攣を誘発するモデルを作成すること、ならびに種々の薬剤で喉頭痙攣が抑えられるか否かを検討する予定である。
|