研究概要 |
非閉塞性無精子症患者で精巣内精子を用いた顕微授精(TESE ICSI)を希望する患者のうち、事前に組織学的にSertoli cell only syndromeと診断された23名に対して、精巣組織のテロメレース活性を定量的に測定した。さらにTESE ICSI施行時(治療的精巣生検)に精子の有無を評価した。TESE時に円形精子細胞あるいは精子を認めた8例中7例でtelomerase活性42.00TPG(total products generated) units/μg protein以上であった。第一次精母細胞段階での成熟停止9例は全て39.43TPGunits/μg protein以下であり、Sertoli cell only syndrome6例は13.92TPGunits/μg protein以下でかつ3例のテロメレース活性は0であった。以上よりcut-off値を42.00TPGunits/μg proteinとするとsensitivity,specificity,positive,predictive value,negative,predictive valueはそれぞれ87.5,100,100,93.8%であった。精巣組織テロメレース活性の測定は、TESE ICSIに際して精子が回収できるか否かを予想するのに極めて有用であると思われた。さらに不必要な排卵刺激を避けることができる可能性も示唆された。 来年度は無精子症全体に症例を広げ検討したい。
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