尿路感染起縁大腸菌タイプ1線毛における新しい機能的異種性に関する基礎的研究 我々は尿路感染起縁大腸菌が保有するタイプ1線毛の吸着素(adhesin)の違いによりprimatesの尿路粘膜上皮に対するbinding siteが異なることを見出し、その違いによるnew type of functional heterogeneityを検討した。平成12年度は、11年度に引き続き手術時に摘出したヒトの臓器(疾患部位)を用いて同様の分類が可能であるかの検討した。 1)当院泌尿器科で手術時に摘出されたヒトの臓器(疾患部位:腎・尿管・膀胱・前立腺の腫瘍部分や無機能腎など)を凍結標本として保存した。 2)タイプ1線毛保有大腸菌であることを確認の上、蛍光染色を施した。 3)蛍光顕微鏡を用いて観察し、健状部位との相違を検討する。 その結果、腫瘍細胞に対する細菌の付着は臓器によっては正常細胞より容易に付着したが、構造上の比較は正常部位からの逸脱が激しく、また感染成立の機序が複雑なため現在までに一定の傾向を掴めていない。 これらの研究結果は、第9回日本RNフォーラムの特別講演で報告した。
|