1.ASCUS(Atypical SquamousCells of Undetermined Significance)の出現しているものと、していないものとで、癌化までの期間や細胞増殖能に違いを見い出す事ができるかどうかを検討した。 (1)対象は、1995年1月から1999年12月までの間に当科外来で子宮頚部レーザー円錐切除術を施行した92例で、最終診断は、中等度異形成4例、高度異形成7例、上皮内癌61例、微小浸潤癌17例、浸潤癌1例であった。子宮頚部細胞診での異常を指摘されてから円錐切除術までの平均期間(月数)をみてみると、中等度異形成1.75、高度異形成4.14、上皮内癌12.6、微小浸潤癌12.3、浸潤癌1であった。 (2)これらの症例の初診時の子宮頚部細胞診標本上に、ASCUSが認められるかどうかを調べた。 結果的には円錐切除術を施行した症例であり、後方視的にしか見ることができないため、その出現頻度は正確ではないかもしれないが、約半数にASCUSが認められた。しかしながら、軽度異形成との鑑別は困難なものも見られた。 2.現在、これらの症例の円錐切除術で得られた組織標本を用いて、 (1)PCNA(PC10;Novocastra) (2)P53(Novocastra) の抗体を使用し、免疫組織染色を行っている。 3.ASCUS陽性例とASCUS陰性例とで、これらの結果に有意差が認められるかどうか、検討を加えていきたい.
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