本研究計画は、平成11年11月に追加採択となり、この補助金交付によって研究を開始することとなったため、実質的には平成12年に入ってから研究を開始した。 当初の予定通り、スクリーニングから開始したが、当初の予定に反し、dAPTTの当院臨床検査施設での検査が中断されており、施設内における検査のスペースおよび人員の確保が困難となったため、外部に委託する形に切り替えた。 妊娠のため産科外来を受診した患者に、文書によりインフォームドコンセントを得て、妊娠初期の一般検査の採血時に検体を採取し、LAのスクリーニング検査としてdAPTT法とdRVVT法を、またこれと同時に抗CL(β-2GP1)抗体および抗PE抗体の検査をおこなった。 スクリーニング検査で陽性であったものに対しては、ミキシングテストとリン脂質中和法とを確認試験として行うこととした。 現在までに同意の得られた一般妊婦21名よりの検査の結果、スクリーニング陽性1名で、確認検査では陰性であった(現在妊娠中)。また、すでに抗リン脂質抗体症候群と診断されている女性1名で、検査陽性の結果を得たが、妊娠初期の流産に終わり、病理学的検索の対象とならなかった.一般に妊婦におけるLA陽性の頻度は約5%とされており、次年度に向けて、現在もスクリーニング検査の対象例の増加を計っているところである。
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