研究概要 |
1 ELISA法にてSLE・習慣流産患者血清および血漿から、抗リン脂質抗体陽性患者(抗phosphatidylserine(PS)抗体、抗phosphatidylethanolamine(PE)抗体、抗caldiolipin(CL)抗体)をスクリーニングした。139人の習慣流産患者ではcofactor依存性の抗PS抗体・抗PE抗体・抗CL抗体陽性率はそれぞれ5.0%、17.3%、5.0%であった。このスクリーニングにより高濃度の抗PS抗体・抗PE抗体・抗CL抗体陽性患者を選別することができた。次にPSを細胞膜外層に出現させた血小板を用いフローサイトメトリーを行い、ELISAとの関連を検討した。抗CL抗体は血小板に結合せず、抗PS抗体・抗PE抗体は結合することが明らかとなった。フローサイトメトリーによる抗リン脂質抗体の検出はELISAを行う患者を選別する際のよいスクリーニングになると考えられた。(Establishment of aPA detection with HgCl2-treated by flow cytometry. J Reprod lmmunol 42:S29,1999.) 2 native annexin V(nANXV)を胎盤から精製し、recombinant annexin V(rANXV)を作製した。、ELISAおよびlmmunoblot法による抗annexin V抗体の検出の系を確立した。annexin Vのplateへの結合は使用するbufferとplateによってかなりの差異があることが判明した。しかし、最終的にはnANXV、rANXVともに同じ抗原性が確認された。(SLE患者におけるELISAおよびlmmunoblot法による抗Annexin V抗体の検索.日本産婦人科・新生児血液学会誌,9:S76-S77,1999.)rANXVを用いて、144人の習慣流産患者において抗annexin V抗体lgG陽性率を検討したところ、12.5%であった。以上については全米methodist groupにvideo-conferenceとしてlectureを行った。(Failure of assisted reproductive technology and antiphospholipid antibodies.Indiana University and Methodist Hospital of Indiana,Seminar Series Presents, 9.29.1999.)
|