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1999 年度 実績報告書

電磁誘導型補聴システムの開発-シミュレーションを導入した最適法の検討-

研究課題

研究課題/領域番号 11770972
研究機関東北大学

研究代表者

小池 卓二  東北大学, 大学院・工学研究科, 講師 (10282097)

キーワード補聴器 / 電磁誘導 / 中耳 / 耳小骨 / 伝音特性
研究概要

人口の高齢化に伴い,老人性難聴は増加の一途をたどっており,早急な対策が望まれる問題となっている。老人性難聴の場合,比較的高い周波数成分を持つ子音が聞こえにくくなり,会話に支障を来すようになる。近年,デジタル技術の発達により,音声明瞭度の向上を目指した補聴器が開発されつつあるが,これらイアホンを用いた従来型の補聴器はその性質から,高音域まで正確な音圧増幅特性を実現するのは困難であるという根本的な問題を抱えている。この問題を解決するため,外耳道の音響特性の影響を受けず,駆動力が強く高音質であるなどの利点を有した電磁誘導型補聴器が開発されつつある。しかし既存の方法では装着時に中耳手術が必要であり,広く実用化される段階には至っていない。そこで,本研究では,高い補聴効果が得られる,最適な電磁誘導型補聴システムを,コンピューターシミュレーションと振動計測実験により開発する。
中耳侵襲を少なく、且つ装着を容易にするため,鼓膜面に振動子を張り付け磁力で駆動する方式を採用した。現在までに有限要素(FEM)中耳モデルを用いて,鼓膜に張り付ける振動子の質量が蝸牛内音圧に及ぼす影響を解析した。その結果,数10mg程度の質量の増加でも伝音特性が低下したため,高周波数域においても高い補聴特性を維持するには,軽量の振動子が必要であることが示唆された。そこで,振動子として,従来の方法で用いられてきた,重い永久磁石ではなく,軽量ながらも電流を流すことで振動させるのに十分な磁界が得られる超小型コイルを用い,駆動部の試作を作った。
今後,試作したデバイスの振動特性の測定を行うと共に,高周波数域での増幅,効率の向上を目指した解析を行う予定である。

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公開日: 2001-10-23   更新日: 2016-04-21  

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