研究概要 |
1.カイニン酸の腹腔投与によるアポトーシス発現を、嗅球とその投射先である梨状葉皮質において、TUNEL法(Terminal deoxynucleotidyl transferase-mediated dUTP-biotin nick end labeling)によって検出する実験では、嗅球の顆粒層と、梨状葉皮質にTUNEL陽性細胞を認めた。また、カイニン酸の腹腔投与によるアポトーシス発現を、嗅上皮においても観察したが、少数のTUNEL陽性細胞を嗅上皮に認めるのみであり、これが正常であるかアポトーシスが誘導されたものであるかはさらなる検証が必要であると考えられる。 2.カイニン酸の投与ののち、2時間,6時間,12時間,24時間,4日,7日後におけるアポトーシスの発現を経時的に観察したところ、上記1.と同部位にTUNEL陽性細胞が検出され、そのピークは4日であった。 3.嗅球の切断によるアポトーシス誘導を,その投射先である梨状葉皮質と末梢神経である嗅細胞において観察したが、切断部とその周囲の細胞にTUNEL陽性細胞が検出された。 4.上記実験により、生じた神経細胞のアポトーシスとIEGの関連について解析するために、cFOS,cJUN,Fral,Egrl等に対する抗体をもちいた免疫組織化学を、同時に行ったところ、上記1.と同部位にcFos、Fos B、Fra 2、Egrlが検出された。
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