1.頭頸部癌細胞に対するアンチセンスcyclin D1の導入 アンチセンスcyclin D1 vectorはMD Anderson Cancer CenterのDr.Claymanから供与していただいた。このvectorを使用し、内因性にcyclin D1タンパクを過剰発現している上咽頭癌、下咽頭癌細胞にリポフェクチン法で遺伝子導入を行った。G418にてselectionを行いstableにアンチセンスcyclin D1を発現している細胞をクローニングした。現在この細胞を使用して、増殖活性、抗癌剤に対する感受性の変化を検討している。 2.頭頸部癌培養細胞に対するレチノインサンの生物学的活性に関する研究 頭頸部癌細胞にレチノイン酸を作用させると、p27タンパクの誘導、cyclin D1タンパクの発現低下を通じてG1 arrestが誘導され増殖が抑制されること、apoptosisの決定機構に関わるBclタンパクファミリーの発現量が変化することがわかった。この結果レチノイン酸処理細胞に5-FUを投与すると、apoptosisが相乗的に誘導され、5-FUに対する感受性が亢進することが明らかになった。
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