研究概要 |
頭頸部扁平上皮癌の上皮成長因子受容体(EGFR)に着目し,上皮成長因子受容体細胞外ドメインに対するモノクローナル抗体による腫瘍増殖抑制,抗体と抗ガン剤併用による抗腫瘍効果の増強,抗体と抗ガン剤を化学的に結合させ,選択的殺細胞効果(target therapy)を導くことなどを研究し,報告してきた。また,ビタミンA受容体と拮抗する物質による頭頸部扁平上皮癌のEGF反応性の変化を検討し,モノクローナル抗体による効果との比較を行なった。平成12年度には抗ヒトEGFRモノクローナル抗体C225を入手し,人における頭頸部癌治療に応用する可能性を探求した。 具体的には化学療法剤(CDDP,5-FU,ADMなど)と抗ヒトEGFR抗体C225の併用による抗腫瘍効果の増強,サイトカイン(IFN-α,TNF-α)投与による腫瘍細胞膜のEGFRレベルの上昇,EGFによるNK,LAK細胞の細胞障害活性上昇,Vitamin A,D3の効果などをふまえ,頭頚部癌に対する複合的治療戦略のプロトコールを作成した。
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