研究概要 |
アレルギー性結膜炎は全世界で広く認められる疾患であるが、その発症機構については不明な点が多い。本研究の目的では、ヒトアレルギー性結膜炎モデル(実験的眼瞼結膜炎:EC)の発症におけるT細胞の役割を明らかにすることである。ルイスラット、ブラウンノルウェー(BN)ラットに抗原として卵白アルブミン(OVA)、ラグウィ-ド(Ragweed、RW)を用いて能動免疫、受動免疫によりECを誘導し、結膜炎は病理学的に、リンパ節は免疫学的に解析した。能動免疫、受動免疫に関わらず、両系統ともECを発症したラット結膜には、リンパ球を中心とする細胞浸潤を結膜に認めたが、好酸球浸潤はBNラットにのみみられた(Curr Eye Res,1999)。さらに、リンパ節細胞の移入によってもECを誘導できることが明らかとなった(Graefe's Arch Clin Exp Ophthalmol,in press)。抗原特異的IgEはBNラットにのみ誘導された。IFN-γはBNラットに比べてルイスラットに多く産生されたが、IL-4はBNラットにおいてのみ検出された(Curr Eye Res,1999;Greafe's Arch Clin Exp Ophthalmol,in press)。また、抗原とモノメトキシポリエチレングリコ-ルとの重合体を前投与することにより抗原特異的免疫寛容を誘導しECを抑制することができた(Br J Ophthalmol,1999)。
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