手術を施行したラット胎児のうち約65%の胎児は、術中に気管の損傷、多量の出血、胎盤薄離、子宮収縮による流産のため、手術を終了することなく、術中中絶した。また10%はsacrifice時に子宮内ですでに死亡しているのが発見された。このため術後生存率は約25%であった。生存ラットのうち、約40%は気管結紮が不完全であった。 気管結紮が完全であった胎児のうち、半数以上は右または両側の横隔膜ヘルニアあるいは横隔膜欠損のない症例であり、検体は使用できなかった。結局、手術を施行したラット胎児のうち約3%のラット胎児が左横隔膜ヘルニアおよび完全な気管結紮を持った胎児であった。このため十分な検体数は得られておらず、現在もなお検体を獲得しているところである。胎児肺の固定時にinflation fixationを試みたところ、検体を損傷してしまった。胎児肺はかなり小さいため、inflationするのに適した気管チューブがなく、挿管不可能であった。
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