今研究では筋移植モデルにおいて再構築された運動単位を、生理学的、組織学的、組織化学的に比較検討する。 昨年度はラット遊離筋移植モデルを作成し、移植床神経の神経線維数を減数するなど、条件を変えて再構築された運動単位の評価を行った。 ラット遊離筋移植モデルについては、広背筋、長趾伸筋などが利用可能と考えられる。広背筋については安定した血行と、動的再建・皮弁付移植も可能という点より、マイクロサージャリーにおいて非常に有用な移植筋であることがわかり、マイクロサージャリー学会誌に報告した。しかしながら広背筋は、運動単位測定に際し、椎弓切除が困難であるため、長趾伸筋での測定を行うこととした。 移植床神経の神経線維数を減数することにより、移植筋では、個々の運動単位の増大がみられるものの、その増大傾向は移植床神経の神経線維数を減数しないものと同程度であるということが推察された。現在、組織学的、組織化学的な評価を行っている。
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